ひょんなことから、すごく久しぶりに恩師の顔を思い出した。

不可能だがあえて先生のメッセージを要約すれば、これになる。

迎合するな、切り売りするな、自分の道をさがせ。

大人になれば、自分の中の何かを売って売って生きなくてはならなくなる。

多くは、得意種目を。

17才は、自分の中の何が世の中の売り物になるかを必死に探る年齢だ。それに終始してしまう。

受験科目の最良の組み合わせだけが、私たちの興味のすべてだった。

自分が行ける、最高ネームバリューの大学へ。

この思考があとで必ず行き詰まることは、私も今なら知っている。

幹は他にある。3年、生徒と日々を過ごしながらそこを伝えていた、先生の仕事。授業を、思い出す。

理系に進む奴は今国語に力を入れろ。文系に進む奴は逆に数学をやれ。脳を鍛えろ。必ず役に立つ。文章が得意なのか、では微分積分をやれ。微分積分を知らない奴の文章を俺は信用しない。